透明袋、透明封筒の素材「OPP」と「CPP」はこうして使い分ける｜コラム｜OPP袋・PP袋・CD入れなら株式会社アイエヌジー

1：OPPフィルムとCPPフィルムは何がどう違う？

まず、素材の説明から始めましょう。OPPとは2軸延伸ポリプロピレン（Oriented Polypropylene）といって、ポリプロピレン素材を縦横の2方向に伸ばしたもの。伸ばすことで素材そのままの状態よりも透明度が増し、パリっとした手触りが生まれます。これに対してCPPとは無延伸ポリプロピレン（Cast Polypropylene）のことで、OPPのような延伸加工を施さない、素材そのままの製品です。同じ透明なフィルムでできていますが、OPP製品と並べて比べるとその違いは明らか。CPPも透明には違いありませんがOPPには及びません。

一方、OPPのようなハリ・コシはありませんが、手触りは柔らかく、強く引っ張ると伸びる性質があります。OPPはパリっとした手触りなので、こちらのほうが強靭な印象がありますが、実際に引張強度、引裂強度が高いのはCPPのほうです。また、OPPはポリプロピレンを縦横に伸ばしたことで分子の結晶が揃っているため、ある方向から切れ目を入れると簡単に裂けてしまいます。これに対して無延伸のOPPは分子の結晶がランダムに並んでいるので切れ目を入れてもOPPのように容易に裂けたりはしません。

2：透明度重視ならOPP製、強度重視ならCPP製を選ぶ

同じ透明袋、透明封筒でもOPPフィルムとCPPフィルムのどちらを選択するかで、用途は微妙に異なってきます。たとえば、商品の魅力をより引き立てるのは、透明度の高いOPP製が向いていると言えるでしょう。食品や生花を包装、ラッピングすれば鮮度をアピールすることができ、雑貨などを入れれば商品の魅力をよく伝えることができます。CPPも透明ですが、OPPと比べればやや見劣りがしてしまいます。

では、CPPはどんな場合に使用するのがよいのでしょうか。前述した通り、OPPにはない引張強度、引裂強度を活かして、重量のある商品などを包装、封入するのに使います。たとえば、ダイレクトメールなどが該当します。中身がセールスレターとクーポン券、小冊子が1冊といった程度なら透明度の高いOPPを積極的に使用してもよいでしょう。しかし、厚みのある冊子やカタログを数冊入れて送るなら安全を考えて強度のあるCPP製にするのが無難。OPPは少しの切れ込みから一気に裂けてしまうので、輸送や配達時の衝撃で破損しかねないからです。もちろん、OPPのような抜群の透明度は得られませんが、ダイレクトメール用として使うならその差はほぼ無視できるでしょう。

3：OPP、CPPはどちらも低温に弱いので、寒冷期や寒冷地での使用に注意

素材をそのまま使用しているか、延伸しているかで特性が大きく異なっているOPPとCPPですが、包装材料としてはどちらも非常に優秀です。多少の差があるものの双方ともに透明度があり、薄く軽い素材であるにもかかわらず強度も抜群。しかも、ともに130℃の耐熱性があり、合成樹脂でありながら熱にも強いといった性質があります。ただし、弱点がないわけではありません。それは、低温化で物性が大きく低下し、衝撃に弱くなること。その傾向は0℃から顕著になるので、寒冷期や寒冷地での使用には慎重を期す必要があります。場合によっては代替の包装資材を検討したほうがよいでしょう。

4：まとめ

同じ透明袋、透明封筒でもOPP製かCPP製かで性質や適した用途に違いがあることがおわかりいただけたと思います。ただ、これを活用するユーザーの皆様からすれば「両者の違いがわかりにくい」「どのような条件でOPPとCPPを使い分けたらよいのか判然としない」といったことがあるかもしれません。そんな場合は、ぜひアイエヌジーまでお気軽にご相談ください。お客様のご要望はもちろん、包装する製品の種類や封入物の重量などをお聞かせいただければ、最適な仕様の透明袋、透明封筒をご提案いたします。