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包装資材にひっぱりだこのPP袋。でも素材の違いで用途もさまざま

アパレル製品や雑貨をはじめとする物品、食品袋、ダイレクトメールの透明封筒など多用途に用いられているのがポリ袋の名称で知られるPP袋。透明で中身が外から見えることから、包装資材やラッピング材料として今や欠くことのできないアイテムだと言えるでしょう。今回はこのPP袋のバリエーションであるOPP、CPP、IPPなどについてその特徴と主な用途を解説します。

もくじ

1:PP袋に用いられている素材「ポリプロピレン」とは?

2:同じ素材でも加工の仕方でOPP、CPP、IPPなどの種類がある

3:ダイレクトメールやラッピングに最も適したOPPとは?

4:まとめ

1:PP袋に用いられている素材「ポリプロピレン」とは?

分子式 C3H6を持つ炭化水素の一種で、石油を分解反応させる際の副産物で合成樹脂の一種。名前が似ているのでよくポリエチレンと混同される傾向がありますが、ポリプロピレンがプロピレンという分子を重合させて作るのに対して、ポリエチレンはエチレンという分子を重合して作ります。なお、ポリエチレンは最も単純な構造を持つ高分子で、ポリプロピレン同様に包装用フィルムや容器になどに用いられていますが、ポリプロピレンよりも軟らかく、透明度ではやや劣ります。主な用途は、軟質フィルムやシートなどで、水道管やガス管にも使われているでしょう。一方、ポリプロピレンはその透明度の高さを生かして包装材料やラッピング材などに用いられるほか、粘着テープや不織布の材料としても利用されています。見た目の違いはあまりありませんが、ポリエチレンが硬く伸びにくい素材なのに対して、ポリエチレンは軟らかく伸びやすい傾向があるので手に取ってみればその違いがよくわかるかもしれません。

2:同じ素材でも加工の仕方でOPP、CPP、IPPなどの種類がある

透明度が高く、包装材料として非常に有用なPP=ポリプロピレン素材ですが、じつは加工の仕方でOPP、CPP、IPPなどがあります。ここでは、各素材の特徴、用途などを解説します。

◎OPP

Oriented Polypropyleneの略。二軸延伸性ポリプロピレンで、ポリプロピレン素材を縦横法上に伸ばし強度を持たせたもの。高い透明度とパリっとした張りのある感触が特長を生かしてラッピング素材、ケーキフィルム、食品包装、ダイレクトメールの透明袋として広く利用されています。引っ張り強度は高いものの、引き裂きには弱いため重量物の包装には向いていません。

◎CPP

Cast Polypropylene の略。無延伸ポリプロピレンで、OPPとは異なりポリプロピレン素材を伸ばすことなくそのまま使うのが特徴です。透明度でOPPに劣りますが、引っ張り強度は高いため重量のある商品の包装、封入に用いられています。また、ブックカバーなどにもCPP製のものがあります。

◎IPP

Inflation Polypropylene の略。インフレ無延伸ポリプロピレンで、ポリプロピレン素材を伸ばさずに風船を膨らますように成形するので、仕上がりはチューブ状のロールになります。このチューブ状の形態から、主に食パン用の袋に利用されるほか、端が破れにくい特性を生かしてカレンダーなどの袋などに用いられています。

◎加工のしやすさ・コスト・納期から見たメリット・デメリット

上記は素材の性質から見た違いでしたが、加工や納期の点から見たメリット・デメリットに着目してそれぞれを比較してみました。

  小ロットの生産向きか? 納期
OPP ◎ 多種多様な原反在庫から加工ができるため、小ロット生産向き 最短
CPP ○ CPPほどではないが原反から加工ができるため、小ロット生産にも適している 比較的早い
IPP × 袋のサイズに合わせて原反を作る必要があるため、大量ロットが必要 遅い

3:ダイレクトメールやラッピングに最も適したPPとは?

OPP、CPP、IPPの中で、ダイレクトメールや商品ラッピングに最適なPP素材はやはりOPPと言えるでしょう。なぜなら、3種の中で最も透明度が高く、中身の商品を引き立ててくれるからです。しかも、引っ張り強度が高いので破損にも強く、理想的。ただし、前述したように引き裂き強度に劣るため、単行本や月刊誌などの書籍、分厚いカタログなどを入れるには不向きです。この場合は、透明感でやや劣るものの、引っ張り強度に優れたCPPを利用するのが妥当です。

4:まとめ

見てきたように、一般にポリ袋=PP袋と呼ばれるものにもOPP、CPP、IPPとさまざまなバリエーションが存在し、それぞれの特長を生かした用途に利用されていることがおわかりになったと思います。なお、このコラムでは今後も素材ごとの詳細な特色や意外な用途などにも光を当てていきます。ぜひ、ご注目ください。

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